どんな人にもネイルを楽しんでもらいたい/Iさんの仮住まい
- Iさん
- 24才
- 女性
- 事務関係
- 茨城県出身
悔いのない人生にしたい。それが私の原動力でした
高校生の頃、計算機を使って素早く計算を解く珠算部(しゅざんぶ)という部活に入っていました。
高校卒業後は珠算部で培った特技を活かし、事務職に就くため上京。東京、千葉を転々としながら一人暮らしをしていました。21歳の頃、一度自分を見つめ直すために仕事を辞めて実家に帰ったのと同時に、新型コロナウイルス感染症が流行り出しました。
そのときはまだどんなウイルスなのか解明されておらず、全世界で多くの感染者が出る恐怖にただ怯えていたのを覚えています。この頃から今後の人生についてを考えるようになり、自分の人生だからこそ本当に自分のしたいことを成し遂げたいと思い、以前から興味があったネイリストになることを決意しました。
今思えば、学生の頃から友人の爪に塗られているキラキラしたネイルを見たり触ったりすることが好きでした。就職してからは私もサロンでネイルをしてもらうようになり、知らないうちにネイルに興味を持っていたのだと思います。
珠算部に入っていたこともあり、就職後の職場ではパソコンや電卓を頻繁に使っていました。
そのため、爪を伸ばしたりネイルをしても気になってしまうことが多く、数千円かけてかわいくしてもらったネイルも数日でオフしてしまうことがありました。その度に悲しい気持ちになっていたので、仕事をやめたタイミングでやりたいことにチャレンジしようと思いました。
1人1人の爪に合わせた特別なネイルをつくりたい
ネイルの技術を学ぶ場所を探していたとき、オンラインで学べるネイルスクールがあることを知りました。
事務職時代の経験から、職業や性別に左右されず、誰もが自由にネイルを楽しんでほしいと思っていた私が惹かれたのは、人の爪にジェルを塗る普通のネイリストとは少し違う“シンデレラネイリスト”というもの。お仕事の関係で自爪にネイルをできない人でも、それぞれの爪に合わせた専用チップ(付け爪)を作ることでネイルを楽しめるところが魅力だと感じました。
シンデレラネイリストを目指し再び上京を決め、親も「好きなことをしなさい」と認めてくれたのですが、これまでのように一人暮らしをするには金銭的な厳しさがありました。そんな中ネットで色々調べているとこの物件が出てきて、他と比較しても一番初期費用が安かったので引っ越すことにしました。
これまで住んできた一人暮らしの部屋とは違って共有部には他の人がいたり部屋は広いとは言えないけど、今の私にはちょうどいいと思っています。
自分ができることで誰かの役に立ちたい
現在は事務のアルバイトを週に4日ほどこなしながら、この部屋住んで1年が経ちました。
この辺りは住宅街で落ち着いているのですが、街に出かけると人の多さに疲れてしまうので、たまの気分転換で近所を散歩するか、休日は部屋で本を読むことが多いです。
最近はシンデレラネイリストに必要な1番難しい検定試験が近づいているため、いつもより練習するようにしています。
毎日練習する中でつくりたいデザインが浮かんだら、付箋にイメージを書き出してから実際にデザインするようにして、自分なりのやり方で早く上達できるように頑張っています。チップがうまくつくれたときは、フリマアプリで販売したりInstagramに投稿するようにして、人の目に触れるために発信するようにしています。
もし次の試験に合格してシンデレラネイリストになれたら、自分でオーダーを受けながらSNSで情報発信しつつ、それぞれの人の爪に合ったネイルをお届けしたいです。
ネイルをしたいのにできない事情がある気持ちは私もよく分かるので、過去の私のような人が少しでも前向きにネイルをできるようになればいいなと思っています。