連載マンガ家デビューしたい/ Sさんの仮住まい
- Sさん
- 23才
- 女性
- WEBマンガ家
- 栃木県出身
夢は連載を持つこと。親を説得して初めての上京
小さい頃からよく絵を描いていました。マンガを読むことも好きで、ジャンルを問わず色々なものを読んでいた記憶があります。いつか好きなマンガに関する仕事に就きたいと思い、大学は県内の美術大学に入学。マンガ専攻のコースで描く技術を学びました。
大学卒業後、在宅で仕事をする中で描く技術をもっと磨いて成長し、いつかWEBTOON(縦にスクロールしながら読むことが出来るスマホに適したマンガ)の世界で自分の連載を持ってみたいと思うようになって。
そんなとき、TwitterでMANGA-SO*という物件の入居者を募集しているツイートを見つけました。
家賃が1年間無料なうえ、WEBTOONを描く環境が整えられ制作に集中できそうだったので、思い切って応募し、審査に合格。そしてこの春、実家のある栃木県から上京しました。
親は心配性なところがあり上京を反対していましたが、今の仕事も続けながらWEBTOONを描くことにも集中できる環境だから行きたいんだと、なんとか説得しました。せっかくのチャンスなので、この1年間はWEBTOONのことに集中して生活したいと思っています。
*MANGA-SO
TOKYO<β> MANGA-SOは、「Z世代の『夢』応援プロジェクト」の一貫でWEBTOONクリエイターを目指す若者をサポートするためにリノベーションされた物件です。共用リビングや液晶ペンタブレットなど、WEBTOON制作に打ち込むことができる設備が導入されています。また、家賃・光熱費・ネット代が1年間無料(ただし、入居後2年以内にプロデビューした場合、クリエイターに入る印税の5%を出世払いとして収める)など、通常のTOKYO<β>の物件とは異なるサービスも。詳細は以下からご確認ください。
▶MANGA-SO詳細
同じ夢を追いかける仲間との共同生活
休日は好きなカフェを巡ったり、友人と会ったりしています。
実家に住んでいたときは、買い物や少しのおでかけにも車が必要でしたが、今は電車で簡単にショッピングモールに行けるし、駅までの距離が近いので気軽に外に出かけるようになりました。近くに商店街やスーパーもあるので料理をするようになり、たまに休日に作り置きもしています。
私が普段WEBTOONを描くときは、ネームと呼ばれる構成を決めたりコマ割りをする部分を描くことが多いです。
構成を考えるときに大切にしているのは、読者の気持ちを考えること。脚本からイラストに起こす作業をするときに、ストーリーの中で大事なポイントとなる部分などに着目し、元の脚本の通りにコマ割りを作るのではなく、強弱を付けることを意識しています。
WEBTOONを描くことはただの趣味ではなく本当に好きなので、仕事で疲れが出たときの息抜きとしてWEBTOONを制作することもあります。
MANGA-SOに住んでいる他のメンバーは、みんなWEBTOONのプロを目指している人達です。
共用部に集まったときには、好きな作品や制作の悩み相談など、それぞれが持っている知識や意見を交換しています。困ったときにいつでもコミュニケーションが取れるよう、住人同士のグループLINEが作られていてフレンドリーな感じで新生活が始まったので、あまり寂しくはならなかったです。
これから挑戦したいこと
初めての上京で不安も少しはありましたが、今はとても楽しめています。
親には少し申し訳ないけど、のびのび生活できているので上京してよかったです。せっかく新しい環境に飛び込んだので、人生経験として色々な場所を開拓することも小さな目標にしています。
大きな目標は、いつか自分1人でWEBTOONをつくって連載を持つことです。
一般的にWEBTOONは色や線画、コマの構成などいくつかに役割を分担して制作します。作業箇所によって専門的な技術が必要なため、1人で制作するには莫大な時間と手間がかかってしまいます。でも私はいつか最初から最後まで1人で制作し、自分の名前を世に出せるようなWEBTOONをつくりたいと思っています。
読者の人にはどんな構成だとわかりやすく伝わるのか、どんな色の付け方だと楽しんでもらえるのか、どんなセリフだと心に残るのか…細部までこだわり抜いた自分のWEBTOONを、いつか多くの人の手にとってもらうことが私の夢です。