人に寄り添える場所をつくりたい/Mさんの仮住まい
- Mさん
- 23才
- 女性
- 大学院生
- 京都府出身
思うままに挑戦してきた大学時代
高校生の頃、進路に迷っていた私は学校の先生によく相談をしていました。
ある日先生が教えてくれた心理学という分野がふと気になり、なんとなく母にも相談してみると、なんと母も大学で心理学を学んでいたということが判明。そういえば実家には心理に関する本がたくさんあったことを思い出し、私も心理学を学んでみたいと考えるようになり心理学を学べる大学へ入学しました。
大学ではじめに学んでいたのは、1人の人に向き合う臨床系という実験がメインのもので、その後は大勢の心理傾向を研究するようになりました。
実験よりも研究をするほうが楽しいと思った私は、東京の大学院を受験することを決意し合格!両親には反対されると思っていたので、合格が決まってから上京することを話しました。急すぎる私の行動にびっくりしていたけど、頑張るんだよと背中を押してくれた両親には感謝しています。
はじめての東京での暮らし
大学院に通うために東京で安く住める家を探していたら、先に上京していた友人がTOKYO<β>のことを教えてくれたんです。キッチンやシャワーは共有だし部屋は広くはないけど、他に人がいても気にならない私にはちょうどいいかも!と思い、この部屋に引っ越しました。自分の荷物もそこまで多くないので、引っ越しの荷物は宅急便で送るくらいで済みましたね。
まだ住み始めて1ヶ月ですが、共有スペースのキッチンは頻繁に使います。日々のご飯を自炊したり、気疲れしてしまったときには大好きなスイーツづくりをしてリフレッシュすることも多いです。
キッチンに立つと他の入居者と会うこともあるんですけど、みなさん気さくで話しやすい方ばかりなので、たまに世間話をして楽しんでいます。
大好きなことで誰かの居場所をつくりたい
私は友人の誕生日に、毎回スイーツを手作りしてプレゼントするほどスイーツを作ることが大好きです。
友人にも「本当に美味しいからカフェでも開いてみなよ!」と褒めてもらえるので、いつかカフェは開いてみたいけど、今まで勉強して得た心理学の知識をカフェ経営に生かすのは難しいと思い、深くは考えていませんでした。
そんな私に、ある友人が「スナックはお酒飲める場所だけど、ママに話を聞いてもらったり息抜きする場所でもあるじゃん。だから、話を聞いてくれるようなカフェをつくったらいいんじゃない?」と言ってくれて、すごく腑に落ちたんです。
子どもと一緒に入りやすいお店があまりなかったり、気持ちが少ししんどくなってしまったときに気軽に誰かに相談できる場がなかったり……すごく生きづらい世界だなと感じていました。
私はそんな世の中に、カフェと心理学を掛け合わせたすごく敷居の低いカウンセリングルームのような、お茶を飲みに行く感覚で気軽に相談できる場所をつくりたいと思うようになりました。
まずはできることからはじめようとカフェでのアルバイトを探していたら、大学院の先輩が経営しているカフェ&BARで働かせてもらえることになって。目標ができてから色々なことが一気に動き出して、すでに胸がドキドキしています。
今まで心理学だけを学んできたから経営に関することはまだわからないけど、カフェと心理学が合わさったお店は私1人だけでつくりたいとも思っていなくて。
もし夢を共有できるパートナーがいたら一緒に叶えられたらいいし、誰もいなくて時間がかかってしまっても、自力で経営の勉強をして、いつかみんなが集まるカフェを開くことが今の私の叶えたい夢です。
病院のように予約して決まった時間に決まった場所へ行くのではなく、カウンセリングを予約するほどではないけど誰かに相談したい、少しだけ話を聞いてほしい、何となく誰かと話したい…そんな誰もが気軽に足を運べ、気持ちが少しでも晴れるような居場所をつくり、私自身も人に寄り添えるような誰かの居場所になりたいです。